乳がんのフォロー

乳がん手術後のリハビリ

乳がん手術後のリハビリ乳がんの手術後は、リハビリを行うことで、退院するころには身の回りの動作がほとんどできるようになっています。当院では、医師や理学療法士、看護師が連携してチームとなって、リハビリの指導を実施しております。
乳がん手術後も、スムーズに無理なく過ごすために、リハビリは非常に大切です。また、退院後も継続してリハビリを行うことで、リンパの浮腫み予防にも繋がります。

リハビリの目的

乳がんの手術後は、リンパ浮腫が起こりやすいとされています。手術後にリハビリを行うことで、リンパ浮腫を予防します。リンパ浮腫が生じるメカニズムとしては、手術によるリンパ腺の切除、放射線によるリンパ液の流れが悪くなったりすることで、リンパ管内にリンパ液が溜まって浮腫みが生じ、腕や肩が動きにくくなることとされています。
さらに、リンパ浮腫は蜂窩織炎といって腕や足に炎症を起こしてしまうため、適度に身体を動かしてリンパ液の停滞とリンパ浮腫を防ぐ必要があります。

リハビリの内容

乳がんの手術後は、無理をしないことが一番です。無理をしないことを大前提に、手術翌日からリハビリをスタートさせます。3カ月以上継続することが一般的で、リンパ浮腫を防ぎ、腕や肩をスムーズに動かせるようにしていきます。
リハビリの内容は、経過日数に応じて変わっていきます。無理なく、継続させることが大切です。

乳がんの手術後1週間
経過時のリハビリ運動①

  1. 背中を真っすぐ伸ばして、両手を腰に添える
  2. 腰に添えた手を肩に置く

乳がんの手術後1週間
経過時のリハビリ運動②

  1. 両手を肩の高さに上げて、地面と平行に広げる
  2. 1の手を腹の前で、肘を曲げずに交差させる

※これらの運動を5回程度から始めます。体調に応じて最終的には、20回/1セットを1日に3回ほど行います。
さらに、術後2週間目以降は、傷口の回復などによって、ストレッチや筋力トレーニングを行い、リハビリを継続します。

乳がんの手術後2週間
経過時のリハビリ運動

  1. 壁に向かって立って、背中を真っすぐ伸ばして手を腰に添える
  2. 壁に添って指先を動かし、出来る限り上に伸ばして最大限の場所にシールを張って目印とする
  3. 壁に対して横向きになって、両腕を交互に1~2の運動を行う

※特に、入浴後は効果が高いため、術後入浴できるようになったら入浴後に行ってみてください。

継続して無理なく
乳がんのリハビリを
しましょう

リハビリを無理なく継続するためには、リハビリの中に日常生活での動作を意識して取り入れることが重要です。例えば、洗濯物を干す、タオルを絞る、入浴で背中を洗う、背中のファスナーを上げる・下げるなど、普段の生活の中でリハビリ的な動作を意識することで長く継続できます。精神的な負担も軽減できるのでお勧めです。ただし、関節の痛みや筋肉痛などが残る場合は、過度に負荷がかかっている可能性があるため、運動メニューの見直しが必要です。

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